イスラエルがMSCI の先進国に組入れ開始
昨日27日は世界的株価指数のベンチマーク(基本指数)とされているMSCI インデックスのポートフォリオ変更が実施されました。
MSCIインデックスとは、MSCI Barra(エム・エス・シ−・アイ:モルガン・スタンレー・キャピタル・インク社、バーラ社2004年に合併)が算出・公表している株価指数の総称で、先進国やエマージング国、各地域や各国別、産業別や業種別など様々な指数があります。
MSCIインデックスは、国際的な証券投資のパフォーマンスを測定するために世界中で利用され、世界の機関投資家の約90%以上がグローバル株式投資のベンチマークとして採用しております。
このインデックスの運用実績を上回る商品等を開発して運用(これをアクティブ:Active運用といいます。=基本インデックスに対してリスクを多くとって成果を高める手法で積極的運用という意味です。)して、MSCI自体をこれら運用商品の比較基準(例えば、このファンドはMSCI対比これだけ運用益が高いですよという指標に用いること)とされております。
一方、純粋のこのインデックスの構成そのままで運用(これをパシッブ:Passive運用といいます。= “受け身・受動的”という意)している投資会社もあります。
どちらの運用会社もMSCI Barra社から、このインデックスの構成比率や変更内容の情報を購入することで、自らの運用方法の検討、実施を行っております。
このMSCIインデックスの中で最もメジャーなのが、MSCI EAFE(イーファ:欧州Europe、豪州 Australia、極東 Far East )インデックス:カナダ・米国を除く先進国の株価のインデックスです。北米の機関投資家が海外の株式を投資する際のベンチマークとして、もっとも多く利用されております。
日本では、MSCI KOKUSAI インデックス(日本を除く、先進国の株価インデックス)です。
これを基として、本邦投信顧問会社は海外株式投資信託や国内年金の海外株式運用の組成を行っております。
MSCIインデックスの変更(リバランス:Rebalanceと言います。)は毎年2月、5月、8月、11月の年4回ですが、大幅に修正するのは毎年5月に実施されます。
大幅に修正とは、銘柄の大幅な変更や、算出根拠の見直しや、先進国に新たに追加する国等があげられ、今回は先進国にイスラエルが新興国から移行されました。
急な発表ですと、市場に影響を与えかねないので昨年すでに今年5月にイスラエルを追加することを発表(銘柄や比率は今月10日発表)しておりました。
このような変更に伴う各国間の株式ポートフォリオ変更に絡む資金の移動に伴う為替取引も発生しますので、為替市場関係者から注目されております。
上述の通りイスラエルが新たに先進国(DM Development Market Country)に追加された影響で27日の株式取引高は46億 ILS イスラエル・シェケル(12億米ドル:約1000億円相当)でした。
名目GDPで比較しますと日本の26分の1ですから、この取引高は相当大きいですね。
海外からの投資家やこれを見込んで買う国内投資家もいる訳ですからイスラエルにとっては良い話ですね。
為替も ILS買いの取引が出てくるので、イスラエル中銀も自国通貨高調整を行っていると言われております。
因みに以下の国や地域がMSCI のDMです。
オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、アイルランド、イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカに今回イスラエルが加わりました。
米国金融規制改革法案、上院で可決
米上院本会議は20日夜(日本時間21日午前)、1930年代以来の抜本的な金融規制改革法案を賛成59、反対39で可決しました。
上院本会議での最終採決に至る土壇場の駆け引きで、論議の的となっていた2つの修正案が廃案となっております。
1.銀行がリスクの高い取引を行うことを規制する「ボルカー・ルール」の厳格化を求める案
2.新設される消費者保護機関の監督対象から、ユーザー向けローンを自前で提供していない自動車ディーラーを除外する案
共和党が自動車ディーラーに関する修正案を取り下げることにより、ボルカー・ルールの厳格化に関する修正案の投票が行われないようにした模様です。
この上院での可決により、同法案は昨年12月に下院で承認された法案との両院協議会でのすり合わせ終了後、オバマ大統領の署名を経て法律として発効されます。
来月発効になるとみられております。
もちろん、拒否権は発動する可能性もなきにしもあらず(ボルカー・ルールが除外されたので)ですので、その場合は市場の波乱要因ともなりえます。
今のところ、本法案が上院で可決されたのを受けて、米株式指数先物(米国でいう夜間取引)は上昇に転じております。
金融制度改革法案は米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻をきっかけに、世界大恐慌以来最も深刻な経済危機が発生したことから、オバマ米大統領が2009年9月14日、危機の震源地となったウォール街で金融規制改革の演説を始めたのが始まり。
当時、米政府は8,000億ドルにも上る金融支援策実施、明確な救済ルールもないまま大規模な救済措置に税金投入したことによる世論の批判をかわす意味でも、医療制度改革に次ぐオバマ政権の改革の柱となりました。
全1500ページを超えるこの法案の主要な骨子は以下の通りです。
・消費者保護の強化
・金融安定化委員会の創設
・納税者による救済の終結と、「大きすぎて潰せない」慣行の終結
・役員報酬の制限
・投資家保護
・デリバティブ規制
・略奪的なモーゲージ貸付慣行を違法行為として規制
・ヘッジファンドの登録義務
・保険局の創設
今週火曜日のEU財務相理事会ではヘッジファンド規制が採択されましたし、金融課税についても検討しております。
6月4−5日に韓国で開催されるG20、あるいは6月後半の首脳会議でどの様な展開となるかは注目です。
それまでにオバマ大統領が金融規制改革法案に署名しているのであれば、各国の流れがさらに強まるものと思われます。
ギリシャ:IMFから55億ユーロの第一回の融資
IMF 国際通貨基金は、1944年7月にニューハンプシャー州ブレトンウッズで開催された国際連合の会議(ここでの決定事項は後に“ブレトンウッズ体制”=第二次大戦後の国際経済体制 と呼ばれております)にてその設立が提案されました。
会議に出席した45カ国の政府代表は、1930年代の世界恐慌の原因となった各国の保護貿易、競争的為替相場切り下げなどの近隣窮乏化政策が第二次世界大戦の遠因になったとの反省から、国際貿易の自由化と経済成長、雇用の促進を目的として形成され、その中でIMF、世界銀行、GATT(関税および貿易に関する一般協定、後に現在のWTO 世界貿易機関)をその軸とした経済協力の枠組みの構築を目指すことに合意しました。
IMFの責務は、国際的通貨協力の推進、国際貿易の拡大とバランスの取れた成長の促進、為替安定の促進、多国間決済システム確立の支援、国際収支上の困難に陥っている加盟国への(適切なセーフガードを伴う)財源提供となっております(IMF協定第一条)。
主眼は国際通貨制度の安定性の確保にあると言われております。
国際通貨制度とは、世界の国々とその国民が商品やサービスの売買を行うにあたり必要な、為替レート制度、及び多国間決済制度を指します。
安定した国際通貨制度は、生活水準を向上させ貧困削減に寄与するなど、持続的経済成長には不可欠という考え方がその背景にあります。
しかしながら、いざ融資を受けるとなると、IMFは厳しい緊縮財政による財政赤字の削減、為替レートを安定させるための金利を上昇指示、保護貿易主義的であれば、市場開放などを融資の条件としますので、時に融資を受ける国のなかでは、IMF批判が起こります。
1997年の韓国でも合意することになる際には、ある意味「お金を貸すから生活を切りつめなさい」というIMFのやり方に対して韓国のマスコミや政治家、労働組合などから、反対の声が上がりました。
しかし、当時、最大融資額である出資割当額(クォータ)の2000%を約6年間借り入れましたが、その後の韓国の努力は目覚ましく(米国経済が堅調であったからとも言われておりますが)、わずか3年8カ月で完済しました。ギリシャにも頑張ってもらいたいですね。